『奇面館の殺人』 著:綾辻行人
奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。館に伝わる奇妙な仮面で全員が
“顔”を隠すなか、妖しく揺らめく<もう一人の自分(ドッペルゲンガー)>の
影……。季節外れの吹雪で館が孤立したとき、<奇面の間>に転がった凄惨な
死体は何を語る? 前代未聞の異様な状況下、名探偵・鹿谷門実(ししやかどみ)
が圧巻の推理を展開する!
この作品で9作品めになります。
シリーズ途中から探偵役が島田潔から鹿谷門実に名前が変わってますね、同一人物
ですが自分が解決した事件を小説にした際のペンネームが鹿谷門実なのですがいつ
の間にか小説家鹿谷門実として探偵役をしているようですね・・・個人的には事件
に関わってるときは島田潔のほうがしっくりくるのになって思うのだけど(^^;
この作品はもちろん中村青司の設計した奇面館が舞台になりますので館に仕掛け
ありきのミステリーなんですよね、シリーズをとおして見ていらっしゃるかたなら違和感
なく読まれるかと思いますけど、殺人事件が起こるとまず屋敷に当然ある仕掛けを考え
ながら推理して読むといいかもしれませんね、またこの作品はもはや古典といわれる
手法が多く舞台は大雪で館から身動きできない状況下での殺人に殺人には館に存在
する仕掛けが関わっているという古き良きミステリーとしてかかれているので私的には
好みの作品でした。
近代的なミステリーやサスペンスとなるとどうしてもハイテク機器?など使われてしまい
なんだか面白味に欠けるんですよね、そういう意味ではこの作品は携帯電話がようやく
普及し始めている頃が時代背景になっているのでちょうどいい感じです。
ここからネタバレ気味になるので注意してください
これまでの館シリーズとは違い被害者は一人なんですよね、なので犯人当てという点
では難しく考えなくても?って感じで被害者が多ければミステリーは面白いってワケ
でもないので私としては推理して読みやすい人数でした。
また館のスタッフ以外は仮面をかぶらされており鍵がかかり外せなくなっていますそん
な中での異様な光景が頭に浮かぶようで面白かったです。
アルバイトでメイドをすることになった瞳さんが柔術の達人という設定ですがあまり生
かせている気がせずに残念でした・・・扱いも中途半端でもう少し活躍させてあげてほ
しかったかな、鬼丸さんとかものすごく怪しいく感じてましたがただ仕事熱心な美青年
として描写されていただけのようです。
面白い作品ではありましたがミステリーとしてはチョット物足りないかな?
でも面白かったです。
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