【NOVEL】 審問
著者:パトリシア・コーンウェル
翻訳者:相原 真理子
出版社:講談社(初版2000年)
発表年:2000年
原題:The Last Precinct
形態:講談社文庫
単行本:なし
他出版社:なし
ジャンル:ミステリー
シリーズ:検屍官シリーズ
【あらすじ】
悪夢のような「狼男」の家宅侵入事件から二十四時間。危うく命を落としかけたス
カーペッタは、友人の精神科医の家に身を隠す。が、追い討ちをかけるように彼女
に殺人疑惑がふりかかる。血まみれの死体で発見された副署長ブレイ殺害に関
わりがある、というのだ。
前作をそのまま引きついでいる形ですね、今回はケイに殺人容疑がかかりケイ自
身終始ネガティブな雰囲気を醸し出しています。
今まで強い女性であり続けたケイですが、今回は弱音の連続です。
またベントンがいかに自分にとって大きい存在だったか、ルーシーやマガヴァンや
マリーノにアナたちがどれだけ大切な存在だったか見直されてます。
デビュー作「検屍官」より18年の月日が流れた今作はいろんな意味で区切りにな
る作品です。
ケイの検屍官としてのキャリア、母親に絶対的な嫌悪を持つルーシー、密かにケ
イを思いいつでも彼女を守ってきたマリーノ、良き理解者たるアナの真実など18年
ですべての登場人物たちは成長していってます。
とくにマリーノはケイの歴代の恋人たちをたて密かに思い続けた心をはき出しまし
た。
いつも堅い鎧をまとっていたマリーノも自分の本心をさらけ出すことで鎧を脱ぎまし
た。
今回は彼の不肖の息子ロッキーが登場し彼がどうしてロッキーを憎むのかが判明
します
登場人物たちのドラマが実に物語にからみつきシリーズで一番面白かったといえ
ます。
ただサスペンス的にはやはり読めますね、その辺は薄いです。
残念ながら「警告」を読んでなければ全然わからない内容なのでこの作品を読む
前に必ず「警告」を読んでおくことをお勧めします。




