【NOVEL】 ザ・スタンド
著者:スティーヴン・キング
出版社:文芸春愁(初版2000年)
翻訳者:矢野 浩三郎
発表年:1978年
原題:The Stand
形態:単行本
文庫:文春文庫
他出版社:なし
ジャンル:ダーク・ファンタジー
シリーズ:ノンシリーズ
【あらすじ】
世界は終末のときを迎えていた。致死率99%という超悪性のインフルエンザ
スーパーフルーの流行によりほとんどの人が死に絶えてしまったのだ。
しかし、妊娠中の少女に聾唖の青年、売れない歌手……生き残った者もい
るにはいた。
生者を求めて旅をつづけるそんな人々がうなされる毎夜の夢、それはネブラ
スカのトウモロコシ畑でギターを引く黒人の老女の夢だった。夢の不思議な
力に導かれ、老女のもとをめざす人々に忍び寄る黒い影。実は闇の男もこの
絶好の機会に世界を征服せんと狙っていたのであった。ついに正体を現わし
た「光」と「闇」、「善」と「悪」の戦いの行方は……?
バーですが上下巻併せて約1400ページとかなりの大作です
「IT」を超える壮大なスケールで物語れる再起末の人類たちただ無駄に長いわけ
ではなく多数登城する人物たちの細かい心理描写など事細かに描かれています。
あらすじでも書いてあるとうりこの作品は軍が極秘開発したウィルススーパーフル
ーの流出により人類が滅んでいきます。
感染するれば100%死が待っている人つたいにあっという間に感染していく様がと
ても怖い、この作品は3部構成になっています。
第一部では主要人物たちを通してそれぞれの土地でスーパーフルーによる感染
で死んでいく人々、そしてその事実を封じ込めようと必至の政府その混乱は政府
による無差別殺人へと拡大していく、しかし中にはウィルスに感染しない、体内に
取り入れても消滅させる人たちがいます
人々が容赦なく死んでいく中彼らだけが生き残っていく、それらの主要人物たちに
それぞれ抱える問題がありそれらもふまえ生きていく彼らは人を求めて夢の地に
向かうさまをリアルに描いています。
また彼ら一人一人の視点で彼らのサバイバルを描いており読み応えがありました。
一部では彼ら一人一人のサバイバルを描き闇の男の存在と光の老婆の存在を夢
で見ていきます
それが意味するもとはなんだろう
サバイバルの末彼らは出会う、そして同じく生き残った者たちが同じ夢の基に集結
し一つのコミュニティーが形成される、人々は生きるための努力を始めるんです。
そして闇の男の存在が夢だけではないと知るんです
三部よりいよいよファンタジー色が強くなりまそれは闇の男との対決を意味します。
この作品で思うことはスーパーフルーにより人類は激減してしまうこの作品でコミ
ニュティーに集まった人口はほんの数千人でしかありません、これが何を意味する
のかそれは人類の生活レベルの激減を意味します。
なぜなら電気がない、今のご時世どれだけ電気に依存しているか考えてください
そして医療レベルの低下これが一番の打撃だと思います。
ドラッグストアーや病院は残りますしかし医者がいません、よしんば医者が生き残
ったとしても今の医学界ではそれぞれ専門分野しか知識と技術を持たないんです。
医者が生き残ったとしても肝心の病院の医療設備は死んでいます。
電気がないからです。
ドラッグストアーには薬が山ほどあるでしょうしかしそれで直るのは些細な病気だけ
です。
食料はどうでしょう食べ物はのこるけど賞味期限がある非常食などはあるけど食
べ物も薬も水も燃料も減ることはあっても増えることはないわけで、電気が無くなる
と言うことがどれだけ今の人類に影響を与えるか考えると凄く怖い、この作品では
そういうことをリアルに描いています
この作品で生き残った人たち果たして種族を残せるのかそれも問題ですよね、なぜ
ならスーパーフルーは蔓延したままなんですから彼が子供を作ったとき、その子が
生まれたときウィルスの対抗を持っているのかはわからない、それ次第では生き残
った人たちが最後の人間と言うことになりますね・・・子供は希望なんです。
それは今の世でも同じことですよ、子供は人類の希望なんです。
未来への希望だと思う、この作品を読んで本当にそう思った
この作品は命と生きることそして帰路を描いた作品です。
人は一人では生きられない、集団心理を持った生き物です。
人は集まりそして故郷に帰る・・・現代では簡単な生きると言うことが実はどれだけ
困難なことなのかこの作品を読んで知ってほしい、この作品の人類は自分で作っ
た物に滅ぼされかけてます。
多数登場する魅力的なキャラクターの中で私は知的障害を持つ青年トム・カレンが
大好きです。
主要人物の一人です
彼の素朴さと純真さがたまらなく好き、そして彼のしゃべり方も好き、キング氏の
人物描写には脱帽だ、また「デスペレーション」で描かれてる見たいにこの作品で
もキング氏の独自の宗教観がかいま見れます。




