『評決のとき』 著:ジョン・グリシャム
いまなお人種差別の色濃く残るアメリカ南部の街クラントン。ある日この街で、二人
の白人青年が十歳の黒人少女を強姦するという事件が起きた。少女は一命をとりとめ
犯人の二人もすぐに逮補されたが、強いショックを受けた少女の父親カール・リーは
裁判所で犯人たちを射殺してしまう。若いけれど凄腕のジェイクが彼の弁護を引
受けたのだが…。
ケヴィン・スペイシーと豪華メンバからなるキャスティングで映画化されてますね
先に映画のほうを見てたんですが改めて原作を読んでみると思いっきり違う・・・
それにはちょっとびっくりしました。
さて、この作品は娘が白人男性2人にレイプされ子供の産めない体にされたあげくそ
の扱いは鬼畜にも劣る行為をしてます。
相手はほんの10歳の少女です。この時点でこの白人2人は死刑でもおかしくはない
そして少女の父は裁判所から連れ出されるところを射殺してしまいます。
法律で裁いたぐらいじゃ収まらない気持ちが私刑を敢行しました。
私はこの行為については当然だと思う、成人女性へのレイプでも胸くそ悪いのに10歳
の少女です。しかも犯人達は相手が黒人だからと全く反省して居ないじゃないですか
黒人の娘だから何をしてもいいと言うわけじゃないです。
これがこの当時の人種差別のうちの一つだとしたら凄く悲しいですよね、この当時だ
と法律の世界でも黒人を守ってはくれなかったそれはしっかり描かれています。
方までもが差別するのなら恨みを個人的に相手にぶつけるしかない、それがカール
のとった行動でした。
この作品において父親のとった行動の是非だけではなく黒人と白人という人種問題も
関わってくるわけでとても読み応えがありました。
クー・クラックス・クラン別名KKK団の介入それにより命の危険にさらされる主人公
それだけにはとどまらずこの大きな訴訟をもとに脚光を浴びようと他弁護士の介入や
カールを救うべく協会は募金を募り多額の募金を集めるのに成功します。
っが、そのお金は実際にカール親子の元には行かず司教の懐に入っていく、事件自体
を利用し自らの欲望を満足させるべく動く醜い人たち、もちろん主人公も例外ではなく
ともであるカールを救うのは建前で彼を利用しテレビマスコミに露出し自分をアピー
ルすることしか考えていない、上巻ではこれらの醜いやりとりなどを描いています。
正義とはなんなんだろう?しかし下巻からは俄然面白くなります。それはいよいよ
カールの裁判に突入するからで主人公や監察官などの駆け引きなどが実に面白く描か
れていました。
基本的に被告カールはとても不利な状況です。才能ある弁護士だけど32歳と若い主人
公、それに加え陪審員は白人だけ・・・望みは心身消失が陪審員につたわる事を願う
だけ、被害者の白人は麻薬の密売や多数のレイプ行為など人間のくずです。
果たして彼はのとった私刑は有罪か無罪か・・・
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