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ねむりねこのゲームと本と映画のお部屋

ねむりねこが大好きなレトロゲームと小説と映画のお話です。
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『ジェニーのなかの400人』 著:ジュディス・スペンサー

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アメリカ南部の町に生まれた少女ジェニー。愛くるしく魅力的な彼女だが、望
まれぬ子供であったため、母親から疎まれ、絶え間ない暴力を受けることに
…入信させられた悪魔崇拝のカルト教団での性的虐待から逃れようと
ジェニーは自ら人格を無数の断片に裂いてゆく。忌まわしき児童虐待とカルト
の実態を克明に描き出し、記憶を失い、自分自身まで喪失した多重人格者の
苦悩と困難を追った類を見ない心理ノンフィクション。


この作品は1人の女性に400人の人格を持っていたジェニーという女性を描いたノン
フィクション作品です。
多重人格者というのは幼い頃の虐待が元で幼い子供が自分を守るためにそれぞれに
対応できる人格を作り上げていきます。
人格も違えば年齢も性別もバラバラな人格が出来ていくのですが彼女は400人もの
人格を作らなければならないほどいったいどんな人生を歩んだんだろうまず
タイトルを見てそう感じました。
冒頭から彼女の幼少時代から始まるのですがこれがまた過酷でとても読み進めるこ
とがつらかったです。
母親の虐待はともかく悪魔崇拝のカルト教団に連れて行かれそこでの虐待、虐待だけ
ではなく性的虐待も受けておりそのプレイも大人でも変態プレイと忌み嫌うような
物までとても子供にするような行為ではないことをさせられていました。
それら一つ一つから本体を守るために一人づつ人格が生まれていったようです。
そして驚くことに彼女は10代の頃からジェニー本人の人格は心の奥底に避難してお
り彼女が実際に彼女を多重人格と見抜き彼女を救ったセラピストに出会うまでの
23年間表に出なかったということです。
その間にあった出来事は覚えておらずあの母親が死んだことも自分が結婚しており2
人の大きな子供がいることも知らなかった。
400人人格が居ると言っても表だって行動していたのは4人でした。
1人の人格からまた別の人格が生まれているということもありました。
セラピストであるアレグザンダー夫妻はジェニーの人格の統合を始めましたが5年の
月日がたち結局ジェニーともう1人の人格がだけが残されています。
完全な統合はかないませんでした。
二重人格として生活しているジェニー両者がその存在を理解しており敬っているよう
です。
最後に両者から別々に読者へのメッセージが掲載されていました。
後半ではもう1人の人格が自分が体験した幼い頃のカルト教団から受けた仕打ちを
アレグザンダー夫妻を現地に連れて行き説明していましたこの本を読んでよく彼女
は生きてこれたなと思いました。
結局400人の別人格を総動員しなければならないほど過酷な幼少時代だったのです。
人の防衛本能の凄さを垣間見れました。
またアメリカにおける悪魔崇拝の全貌というのも見えた気がします。

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