【NOVEL】 トミー・ノッカーズ [著]スティーヴン・キング
著者:スティーヴン・キング
出版社:文芸春愁 (初版1997年)
翻訳者:吉野 美恵子
発表年:1987年
原題:The Tommyknockers
形態:文庫
単行本:1993年
他出版社:なし
ジャンル:SF
シリーズ:ノンシリーズ
【あらすじ】
せんじつめれば全て偶然のいたずら、あるいは運命でしかない―あの日メイン州ヘイヴンの森で、ボビ
・アンダーソンが何物かにつまずいたことも、好奇心から地面を掘り返しはじめたことも。(ボビが大変な
ことになっている!)虫の知らせを感じ、訪ねてきたかつての恋人ジム・ガードナーは、驚くべき光景を目
の当たりにするが…。
「ゆうべ遅く、その前の晩も、トミーノッカーズ、トミーノッカーズドアをドンドン叩いてる、出て行きたいけど
行かれないトミーノッカーが怖いから」
この童話がそのままこの作品の世界観です。この一説を頭に入れて読まれるとよりこの作品の面白さ
プロットの秀逸さがわかると思います。
ちなみトミーノッカーとイギリスにまつわる地霊ノッカーとは類似していてともに洞窟や炭坑でなくなった
炭坑夫の霊で古びた炭坑や炭坑で作業していると壁をコツコツとならす音が聞こえてくると言います。
また知らないうちに作業が進んでいることもありノッカーが手伝ってくれるとも言います。
ですがその姿を人間に見られるとその洞窟からいなくなり何もとれなくなると言われています。
この作品はホラーではなくSFです。
H.G.ウェルズの「失われた町」を彷彿させられました。
地中に頭だけのぞかせた何千年も昔に不時着したUFOを見つけた女性がそれを触ったことから物語が
展開します。
メイン州ヘイブンの田舎町は次第に様相を変えていく空気が汚染され人々の歯はとれていきそして突如
人の頭をのぞくことが出来そして突然頭が良くなる、彼らはそれを「進化」と呼ぶ
上巻ではその汚れた大気により人々が変わっていく様が描かれていて怖いです。
環境改善により人間を徐々に変えていく彼がいう「進化」の果てに待っているものは一体?
この作品の主人公は弱い人間です。
ここで言う弱いとは精神的に弱いと言うことなんです。
彼は唯一汚れた大気に影響されにくい人間の一人でした。
彼らは彼の頭の思考を読むことも出来ない職業が詩人と言うこともあり観察力推理力に富み現状の
状態を理解しているにもかかわらず酒におぼれてしまい言いように利用されてしまうんですよね
そこがかえって面白かったのかも
上巻での人々のエピソードは結構怖い者がありました幼い二人の少年のエピソードは正直可哀想で
したが、仲の良い兄妹だったんです。
この事件の結末は何ともいえない結末でしたがラスト二人の幼い兄妹が唯一の生存者でありヘイブン
の町の唯一の人間だったのにはジーンとしました。
キング氏は少年少女にはとても優しく扱うといつも思います。
二人の再会はとても良かった。
とても面白いのが襲いくる自動販売機!釣り銭をまき散らしかっとび襲ってくる!自動販売機VS州警察
「おまえ権利を聞かせないうちに発砲したな!」笑いました。
後半からのたたみかけは凄く面白く読み応えがありました。
彼らの進化した果ては一体?
トミーノッカーズ、トミーノッカーズ、ドアをドンドン叩いてる・・・・




