【NOVEL】 爬虫類館の殺人 [著]カーター・ディクスン
【著者】カーターディクスン
【出版社】早川書房(初版1960年)
【翻訳者】中村 能三
【発表年】1944年
【原題】He Wouldn't Kill Patience
【形態】文庫
【単行本】- - - - -
【他出版】- - - - -
【ジャンル】ミステリー
【シリーズ】ヘンリー・メルヴェールシリーズ
【あらすじ】
第二次世界大戦下のロンドン、熱帯産の爬虫類、大蛇、毒蛇、蜘蛛などを集めた爬虫類館
で、不可思議な密室殺人が発生する。厚いゴム引きの紙で目張りした大部屋の中に死体が
あり、そのかたわらにはボルネオ産の大蛇が運命をともにしていた。そして殺人手段には
キング・コブラが一役買っている。
第二次大戦中という状況があらためて時代を感じさせられました。そういう特殊な時代で密室
というのが面白いです。
部屋を目張りしてガス自殺のように見せかけていて明らかに自殺のように見えるけど、あれだ
け愛してやまないペットの蛇と一緒に自殺するわけがないと娘が証言し一気に自殺説から他
殺説へと話が変わっていきます。
場所は動物園内にある経営者の自宅の自室で死体が発見されます。
実際の爬虫類館は事件の舞台になっていないのがちょっと残念でしたね、この時代で目張り
した完全な密室状態での殺人をいったいどのようなトリックで読者に納得させようとしてるのか
とても興味深かったです。
でも残念なことに密室トリックにばかり力を入れていて肝心の犯人にや登場人物たちの人物
像はおざなりでした
特に犯人に関しては登場してすぐにわかります。
彼を殺す動機を持った状態で登場しなおかつ娘に対して金銭的に迫っていくのでバレバレ
なんですよね、おまけにほかに彼を殺す動機を持っている人物がいないし登場人物も少ない
しね、その点では物足りないです。




