【NOVEL】ローズ・マダー [著]スティーヴン・キング
【著者】スティーヴン・キング
【出版社】新潮社 (初版1999年)
【翻訳者】白石 朗
【発表年】1995年
【原題】Rose Madder
形態:文庫
単行本:1996年
他出版社:- - - - -
ジャンル:サスペンス
シリーズ:ノンシリーズ
【あらすじ】
このままでは、殺される―ある朝、シーツについた小さな血の染みをみつけて、ローズは
そう口にしていた。優秀な刑事の夫ノーマンも、家ではサディストの暴君。結婚後の14年
間暴行を受け続けたローズは心身ともにもう限界だった。逃げだそう。あの人の手の届
かないところへ―。だが、家出をした妻をノーマンが許すはずがない。残忍な狂気と妄執
をバネに夫の執拗な追跡が始まった。
キング氏がドメスティック・バイオレンスに注目したところがさすがだと思った。
この作品は宇宙人も超能力呪いや幽霊もでません基本的に怖いのは人間です。
14年間夫の暴力に悩まされたローズが冒頭で家でを決心するんだけど、その描写がリアルで
怖かった。
14年間辛抱してきた彼女がようやく夫ノーマンから逃げる決意をする、それだけでもローズの
性格がわかるでしょう、決して強くはないのです。
そんな彼女が家を飛び指し新たな新天地にたどり着くまでの彼女の心理的描写が読んでい
て痛々しかったまた病的に追い回す夫ノーマンの心理も描かれていてそのげすっぶりが読み
手に怒りを煽るでしょう、追う者と追われるものの心理的描写が実にリアルに描かれています。
新天地である娘&姉妹たちというドメスティック・バイオレンスに苦悩する女性たちの集まる
センターでの生活、またセンター自体が周囲の人たちからどう思われているかなど
ドメスティック・バイオレンスに対しキング氏は鋭く表現してる作品ともいえます。
また有能な警察であるノーマンの追跡も盛り込まれ安堵の中にある恐怖をローズを通して
表現されとても怖いです。
はたしてローズとノーマンはどう決着をつけるのだろう?とても気になり読み出すと止まりま
せんでした。
実は私はラストに関しては納得してません、読んでもらえればわかると思うんだけどね




