【NOVEL】 八墓村 [著]横溝正史
【著者】横溝正史
【出版社】角川文庫
【初版】1971年
【形態】文庫
【単行本】- - - - -
【他出版】- - - - -
【シリーズ】金田一耕助
【ジャンル】ミステリー
【あらすじ】
400年前の怨念か、恐るべき血の祟りか。山間の静かな村に起きた大量虐殺事件。犯人はそ
の後行方不明になり事件は迷宮入りとなった。26年後、血で汚れたこの村に再び謎の連続殺
人事件が…。
なんと言っても実際に起きた事件をモチーフにしたオープニングが強烈なインパクトですよ
ね、ただ原作を読んでいてオープニングを過ぎてからなんだか妙な感じに・・・
あれ映画ってこんなだっけ?そして次第にあれ八墓村ってこんな話だっけ?になり
オープニング以外何一つ覚えていないことに気がつき結局新鮮な気持ちで読めました。
ただ・・・漫画の孫のほうで似たような設定や似たようなトリックを見た気がしますね
まあ・・・孫だからOKでしょう!
次々と起こる殺人事件ですが主人公は金田一耕助ではなく語り手の田治見辰弥で彼は
オープニングの村人32人殺しの田治見要藏の息子です。
お母さんが彼が赤ちゃんの頃に村を逃げ出し、発狂した要藏が村人を片っ端から殺して
まわったわけです。
田治見家の後を継ぐために探し出され田治見家にやってきた彼ですがそのとたん
田治見家の人たちが死んでいきます。
後半になると村人たちが一斉に辰弥を犯人と決めつけ彼を殺そうとするシーンがなんとも
時代を感じさせられます。
証拠とかそういうのは関係ない32人殺しの息子だからと言うことだけです。
この作品は辰弥が語り手となり自分が田治見家にやってきてから事件が解決するまでを
彼の一人称で語られているという作品になっています。
彼がどう考えどう行動したのか、金田一氏は彼に話を聞きに来たときなどに語られるだけ
で存在感はまるでありませんでしたし、裏では大活躍だったのでしょうけど作品中では
彼が役に立っていたとは思えないです。
一応彼の推理のおかげで解決という感じに辰弥は語っていますけど・・・
その辺は不満でした。
あと犯人と動機が釈然としません、そんなことのために田治見家の人を次々と殺していた
の?
って感じで人を殺さずにもう自分から告っちゃえばいいのにって思いました。




