【幽霊人命救助隊】 著:高野和明
夕方までは死なないでください。僕たちが必ず助けてあげます大学受験に失
敗して首吊り自殺し幽霊となった裕一は、同じ立場の三人と共に、天国行き
と引きかえに自殺者の救助を神に命じられる
の濃い人命救助作品です。
主人公たちのいでたちはまるで映画「ゴーストバスターズ」のよう握るはメガホ
ン、暗視ゴーグルと無線を手に奮闘する!
彼らの能力は相手に憑依し相手の心を読むこと、メガホンで話しかけることで
相手を誘導し自殺したいという原因を探し出す。
救助対象者は様々な理由で死を考える、孤独であったり借金であったり鬱であっ
たり本当に自殺の原因と言われる物を幅広く取り上げ救助対象者とともに救助隊
の面々も体当たりで原因を取り除く鬱であってもいろいろな原因があるけど鬱と
言う病気がどういう物であるか描かれ、借金苦についてもいろいろな事例を出し
それぞれについて詳しく描かれていてとても勉強にもなります
そして救助対象者と救助隊の活躍を通し自殺とはどういう物なのかそして自殺が
もたらす影響はどういう物なのか刻々と描かれてます
自殺者は自分が死んだ後のことを知らない、自分が死んだことで周りが、残され
た人たちがどうなるのかを知らない、一時の迷いで死んでいった者は後悔しても
遅い、私は自殺したいなどと思ったことは一つもないけれど自分が死んでも何ら
得をすることはないと言うことはわかっています
どんなつらい目にあってもバックボーンがしっかりしていれば死のうとは思わな
いかもしれない、弱い者だけが死ぬのか?弱いって何だろう?この作品にも答え
はあると思う、再三出る「自尊心」についても人間の強さの一部だと思う、自分
の自尊心とは何だろうと考えることが大事なんだろう、この物語の中で家族の
不仲、学校でのいじめ、自分のせいだと自分を攻める少年彼は指揮者になること
が夢でありその才能も持ち合わせていたそして少年は買ってもらった指揮者の本
に載っていた「自尊心」とは何か?に心を奪われる自尊心って何だろう?どうす
れば手に入るんだろう、この話で少年は自尊心を取り戻す。それが自尊心とは
気がつかずに、死というのはなにも可決しないものであると私は常々思ってます。
自殺というのは凄く勇気と度胸がいる、その勇気と度胸がありながら困難に立ち
向かおうとはしないなぜ?飛び降りも首つりも考えただけでぞっとする、それを
克服するほど追い込まれてるからなのでしょうか?
だったら死という恐怖を克服する自殺って凄いパワーじゃないかそのパワーの
方向を少し変えるだけで自殺はさけられるのでしょうか、また困難に立ち向かう
ことが出来るのではないのかな?、この作品で救助隊がしていることと言うのは
そういうことだと感じました。
自殺というのはていのいい逃げる方法で、自殺からはなにも生まれないものだと
思う救助隊のメンバーの美晴さんが面白いことを言っていた。
忠臣蔵などでかっこよく自害させて英雄扱いするから自殺者が増えるんだって
みんな勘違いしているっていうのは実に面白い意見だし私も賛成です。
日本人というのは時代劇などで切腹というのを美化しすぎている、実際に冷静に
考えてみるととんでもないこと、忠臣蔵なんて結局お殿様が惰弱だっただけのこ
とだしお殿様が精神的に強く精神的に大人であれば彼らは死なずに住んだ、防げ
たんだから、主人のふがいなさを部下がはらしたあげくに集団自殺した。
彼はら誠の忠臣だ・・・おかしくないですか
そのほかにも自殺という行為を皮肉たっぷりに描いてたりしてます
悲哀もあるがこういうブラックユーモアをも忘れないこの作品は見事だと思う
死を選ばず生きて償い生きて強さを示そう、生きることこそが責任であると思う
ラストは泣いてしまいました。この本は見かけ以上によい本です。
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