【ユダの窓】 著:カーター・ディクスン
アンズウェルは、結婚の許しを乞うため恋人の父親を訪ねた。勧められるまま
に飲み物を口にした彼は、喉に異様な感触を覚え意識を失ってしまった。
20分ほど経ったであろうか、眼を醒ました彼が見た光景は、完全な密室と化し
た部屋で胸に矢を射ち込まれて事切れている将来の義父の姿だった…
…当然のごとく彼は殺人の容疑に問われ、ロンドン中央刑事裁判所で裁かれ
ることとなった。 訴追者側の厳しい追及に対し、アンズウェルの無罪を信じる
H・M卿は〈ユダの窓〉の存在を主張し敢然と立ち上がった!
HM卿が本業である弁護士として青年アンズウェルの無実を証明しようとします。
この作品の面白いところは状況から容疑者が紛れもなく犯人であるという状況
にもかかわらず彼の無実を確信し検察に真っ向勝負を挑む姿が面白いです。
少しづつ検察側の主張を切り崩していきアンズウェルが犯人であるという決定的
な状況証拠を崩していく描写はさすがカーだと思いました。
法廷での戦いなので口だけで描写しない解けないという制限の中で密室殺人の
冤罪を証明する筆力に感動しましたこの作品はお薦めです。
ブログ村に登録しましたもしよろしければクリックしてくださるとうれしいです。


