【NOVEL】 ふちなしのかがみ [著]辻村深月
【著者】辻村深月
【出版社】角川書店
【初版】2012年
【形態】文庫
【単行本】2009年
【他出版】- - - - -
【シリーズ】ノンシリーズ
【ジャンル】ホラー
【あらすじ】
冬也に一目惚れした加奈子は、恋の行方を知りたくて禁断の占いに手を出してしま
う。鏡の前に蝋燭を並べ、向こうを見ると――子どもの頃、誰もが覗き込んだ異界
への扉を、青春ミステリの旗手が鮮やかに描きだす!
伝説や怖い話は大好物なので(^^;
友達のブログで感想を拝見して興味を持ちました。
学校の怪談・都市伝説を題材にいた短編集になっています
学校の怪談も時代とともに名前が変わり出現条件が変わったりと新しいバージョン
になっていますが本質的な部分は変わっていませんね、自分の頃の学校の怪談
はどうだったとか懐かしく思いながら読めました。
♪ 踊り場の花子
言わずと知れた今では学校の怪談の定番といえるトイレの花子さんの派生
バージョンですね、花子さんのルールは初めて知りました。
そもそもルールなんてなかったのですが・・・世代的に花子さんがはやったのは
中学校の頃かな?
学校のトイレの怪談はちゃんちゃんこや紙やらいくつもバージョンがありますね
こちらではどちらもありましたし基本的にどの色を選んでもoutというのは一緒
なんですよね
このお話は子供が犠牲になっているのがつらいところです
しかも虐待していたのが同級生でも両親でもなく担任だったというのに怒りを禁じ
得ません、一部始終を知っている花子さんが復讐してくれたのは胸がすっとします
しかし彼女が生き返るわけではないので悲しいですね
♪ ブランコをこぐ足
このお話も女の子が犠牲になる話で何ともいえない気持ちになりました。
こっくりさんを題材にしていますがラストを考えると彼女の死はこっくりさんとは関
係のない自殺といえますね
なぜなら10円玉は彼女が動かしていたのだから・・・
面白いのはインタビュー形式で彼女の遊び仲間たちからみりちゃんとの関係や
彼女たちから見たみりちゃんという人物が描かれている点ですね、それぞれの
見方でみりちゃんの立ち位置が見えてきます。
エンジェルさんだから大丈夫だという子供たちは多いですね
名前が違うだけで同じだというのに、今回は悲惨な事故に繋がりましたが本物
が現れていなかったのはよかったのかも、本来は遊びに関わった全員がターゲ
ットになりますから、以前にも書きましたが交霊に関する遊びはしゃれにならなく
なるのでやってはいけません
♪ おとうさん、したいがあるよ
この話はよく意味がわかりませんでした。結局どういうことだったのか、主人公の
妄想だったの?夢オチ?
そもそも毎週おばあちゃんの家から死体があふれ出てきて普通に処分しちゃって
るのでまあなんかおかしいなとは思いましたが・・・
♪ ふちなしのかがみ
携帯を使った未来を知る方法と合わせ鏡の都市伝説を合わせた感じですね、ただ
この作品のオチを考えるともともと精神を病んでいた主人公の妄想ということです
ね、なので導入部分から妄想の世界だったと言うことでしょうか・・・
冬也とお父さんの会話だけが現実だったわけですね
精神を病んだあげくに自分の娘を手にかけてしまうなんて悲しすぎるオチでした。
♪ 八月の天変地異
想像の友達が実際に現れてというお話は他の作家さんたちがだいたい書いてい
る題材ですが、この作品の面白いところはクラスメイトをだまし自分の学校生活
をよくするためについた嘘という部分は他の作家さんと共通していますが
自分たちにしか見えないのではなく他の人々にも見えて普通に接することができ
るという点ですね、そしてその子の正体は主人公たちが真剣に祈ったアブラゼミ
だった点です。
そして天変地異の願いをかけたのがキョウスケでした。
そこにも複雑なキョウスケの願いも込められており面白かったです
ただ同じ題材の乙一作品のほうがストーリーがよかったですけどね



