【キャリー】 著:スティーヴン・キング
狂信的な母親に育てられた風変わりな少女キャリーは16歳。絶対的な母親の権威
と、止まるところを知らぬクラスメイト達の悪意、それに自身の肉体の変化も重なっ
て彼女は極度に追いつめられた。そして誰も知らなかったのは彼女が念動能力の
持ち主であることだった。キャリーの精神が完全にバランスを崩した時、チェンバレン
の町は炎に包まれる
変わった描写をされていて、基本ストーリーが進む中一連の事故について生き残っ
た住民達の調書を取るシーンを挿入されています。
これが意外なほどじゃまにはならなかったです。
ただ本文は意外なほど短いですね、全320ページのうち半分ほどが本文なので
物語的には短編と考えても良いかもしれないのかな?
とにかくキャリーが思ってたよりいい子なんです。とっても愛らしく感じる確かに変わ
っているけど、でもそれは彼女のせいではないんです。
原因は狂信的なキリスト信者の母親が悪いんです。
彼女自身はとっても少女っぽく時折見せる少女的な言動や仕草が可愛らしいんです
よ、裁縫が趣味で自分の服を自分で作ったりパーティーのドレスも自分で作りました
服を仕立てている時が一番彼女が少女ぽかったです。
少女であり、変わり者であり、能力者であるキャリーの描写が実にうまく描かれてた
私はとてもキャリー自身に感情移入でき彼女を守ってあげたいという衝動に囚われ
ました。
キャリー自身はとても良い子です。テレキネシスも制御できずにいたしその能力で
人を傷つけることもしなかった。
初めての初潮でシャワールームでタンポンを投げつけられ罵られるといういじめを
受けた彼女総ての始まりはこの出来事でした。
それ以後日増しに強くなる能力そして狂信的な母親との生活、そんな中でも彼女は
普通になりたいまともになりたいと願っているんです。
普通の生活がしたいその思いが実にけなげで読んでる中助けてあげたくなっちゃい
ました。
彼女が精神を崩壊させた原因それはシャワー室での一件、母親との生活、キャリー
を目の敵にしてる2人など多々あると思う、映画でも有名になったあのシーンさえ
起こらなければキャリーは自分の壁を破り羽を広げ飛び立つことができたのに幸せ
に慣れたはずなのにと思わずにはいられない狂信的な母親、それでも彼女はその
母親を愛していたのに自ら母親を手に掛けても愛していたのになんだか切なかった。
もう一度言います。キャリーは悪くない、絶対悪でもない、悪はキャリーを取り巻
く環境です。
彼女は壁を破る努力をした努力は後一歩で報われていた。それをじゃましたのは
心許ない2人組と母親なのです。
可愛そうなキャリー・・・
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