【罪の段階】 著:リチャード・ノース・パタースン
出版社:新潮社
形態:単行本(初版1995年)文庫(1998年)
翻訳者: 東江 一紀
原題:Starship Troopers
他出版社:なし
ジャンル:ミステリー
シリーズ:なし
【あらすじ】
弁護士クリスにテレビ・インタビュアーのメアリから電話が入った。有名作家から
レイプされそうになり、誤って射殺したというのだ。かつてクリスと関係を持った
メアリは、その後、息子カーロをもうけたが、別れて長い間没交渉だった。女性
弁護士テリーザとともにクリスは正当防衛の線で弁護を引きうけるが、事件には
多くの秘密が隠されていた。
この作品の中核をになうものでもあります。
事件そのものは関係ないけれどこの事件を引き起こした原因は15年前の
「ラスコ事件」に忌諱してるんですね、なので本来なら「ラスコの死角」を読んで
いるほうがいいわけです。
でも日本で翻訳されたのは本書よりもだいぶん後なんだよね・・・翻訳するにし
ても順番を守ってもらわないと読む側が迷惑するよね、出版社の方にも考えて
もらいたいな
それはさておきすでにクリスのもと妻メアリがランサム氏を殺害しているのは分
かっています。
問題はそれが殺意ある計画的犯行なのかそれとも正当防衛なのかそれが焦点
になっている裁判ですね、公判に持ち込まれると陪審員がつくということで不利
になると考えたクリスはなんとかそれまでに決着をつけようとするが、彼女の不
利な状態が最後まで続きます。
彼女は本当に正当防衛なのか、そして未だにクリスに対し隠し事をしている
メアリー第二のテープに吹き込まれている謎と共におもしろさを倍増しています。
法廷シーンだけではなく各キャラクターにエピソードがついており物語も楽しめ
ます。
息子カーロ同僚のテリと最後まで読者を楽しませてくれましたよ特にカーロの
出生の秘密は「ラスコの死角」を読んでいないとだめですね、ちなみに裁判の判
事はこの間見た「最後の審判」の主人公キャロライン・マスターズでした。
リチャードさんの作品は読む順番が重要だとわかりました。
今回は判事としてのキャロラインとこの後主人公として立ち回るキャロラインさ
んのギャップが面白かったですね
ブログ村に登録しましたもしよろしければクリックしてくださるとうれしいです。


