【NOVEL】すねた娘 [著]E・S・ガードナー
【著者】E・S・ガードナー
【出版社】東京創元社
【翻訳者】池 央耿
【発表年】1933年
【初版】1976年
【原題】The Case of the Sulky Girl
【形態】文庫
【ジャンル】ミステリー
【シリーズ】ペリー・メイスン・シリーズ
【あらすじ】
メイスンを訪ねた女フラン・セレーンは美貌のくせに、癇癪もちだった。 死んだ父の遺
言によって財産は叔父の手で管理されているのだが、自分が25歳以前に結婚したら
財産はもらえない。 ところが、今すぐにでも結婚したい相手がいるのでなんとかしてほ
しいというのだ。 裏に何かあるとにらんだメイスンは協力を約したが、やがて、彼女の
叔父が自宅で殺されたとの報せが入った! 書斎の窓から叔父が殴られているのが
見えたという目撃者までいた。 しかも、叔父は殺される前、なぜか警察に電話し、姪の
フランの逮捕を要請したというのだが……?
興味を持って読んでみました。
E・S・ガードナーさんは他にもシリーズ作品がありますがこの作品は解説にものっ
ていた刑事事件弁護士ペリー・メイスンシリーズになります。
流れとしては一人のうら若き女性が相続の受け取りについてメイスンの元へ依頼
にやってきます
実の親から受け継いだ遺産を叔父が管理しているが超真面目で一切の曲がった
ことを許せず超几帳面というめんどくさい性格の叔父にまかされています
条件付きでいずれヒロインであるフランシス嬢に受け渡されるのですが彼女には
今すぐ受け取りたい理由があったのです。
メイスンは彼女の依頼を受けて叔父に会うことになりますが・・・その後何者かに
叔父が殺されてしまい嫌疑はフランシスと・・・ある男に
そして裁判で二人の嫌疑をはらし無罪を勝ち取ることが出来るかという内容になっ
ています。
ミステリーとしては何かしら捜査したりとか何かしらのトリックを見破ったりとか
ミステリー小説的な部分はあまり見受けられず裁判で無罪を取るための材料集め
そしてその方法を考えていくという感じです
もちろん真犯人がいるわけで手っ取り早いのは真犯人を捕まえることになります
叔父が死んで一番得をするのは誰なのか・・・一番怪しいのはわかっていましたけ
どね
後半はいよいよ法廷シーンに入りますが・・・なんだろう当時はこれで通用したの?
という感じで今だったら検察も弁護側の答弁も通用しないと思うのですが
特にラストのシーンは強引でメイスンの推理をある人物にぶつけこれが理由で
彼を殺した犯人はあなたですねといい相手が汗ダクになり見るからに狼狽して
終了という・・・相手の検事が状況証拠に過ぎず決定的な証拠はないと決定力不足
を指摘しますがもう話を終わらせる気満々の裁判長と陪審員は聞く耳持たず
という感じです
また検察側がフランシスとある人物を犯人に仕立て上げようと無茶なことを
しています
また当時の状況の再現にしてもいやそのやり方通用しないでしょ
って感じです。
メイソンは最後まで相手のいいなりに進行させており本来ならそのやり方では
負けは確実でした。
だって検察の無茶な答弁を認めて言ってるから、反対尋問しないから・・・
正直ミステリーとしてみると面白くはないかんじです。
ただ気難しく怒りっぽいヒロインのキャラクターが魅力的でした。
法廷物ならそれで説得力のある裁判を描いて欲しかったところです。
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