【崇徳伝説殺人事件】 著:内田康夫
出版社:中央公論新社
初版:角川春樹事務所 (1997年)
形態:中公文庫 (2008年)
他出版:角川書店
シリーズ:浅見光彦
ジャンル:ミステリー
【あらすじ】
崇徳天皇に傾倒する男が経営する特別養護老人ホームで働く看護師・滋美。施設
は入居者の不審な死が相次ぎ、滋美は内部告発の証拠となるフィルムをジャーナ
リストに渡そうとする。だが、ちょっとした手違いから、取材で崇徳天皇ゆかりの神社
を訪ねる最中の浅見光彦に託してしまい―福祉事業の暗部に浅見光彦が迫る
怨霊の1人崇徳天皇を題材にしています。
ちなみに後の2人は平将門と菅原道真ですね、彼らがなぜ日本三大怨霊になった
のかは長くなるので興味のあるかたは調べてみてください、道真に関しては勉強の
神様としての一面しか知らないと思いますが・・・
またテーマは老人介護施設の本質という部分で老人介護施設に関する事件や事
故は今でもたびたびニュースで取り上げられていますね、そんな老人介護の実情
に事件を絡めて描かれているので大変興味深く読めました。
今回は光彦氏に対する明確なヒロインがいなかったのも事件に集中できて楽しめま
す。
比較的真摯に老人介護の問題を描いていて今回はエンターテイメント的な部分は
なかったですね、現場で働く介護士さんたちの努力と気持ちはこの作品で描かれて
いるように立派ですけど肝心の運営するが側に彼らのような信念がないというのが
悲しいですね、こういう施設に預けてしまうのはつらいところです。
また老人たちの家族よりも介護しさんったいのほうが本当の肉親のように感じられ
るのも悲しいですね、なぜ自分の親を施設に預けないといけないのか・・・
その部分の理由は千差万別ですね、この作品はなかなか考えさせられる内容でし
た。




