【NOVEL】 一角獣の殺人
著者:カーター・ディクスン
出版社:東京創元社(初版2009年)
翻訳者: 田中 潤司
発表年:1935年
原題:The Unicorn Murders
形態:創元推理文庫
単行本:なし
他出版社:なし
ジャンル:ミステリー
シリーズ:ヘンリー・メリヴェール卿
【あらすじ】
パリで休暇を楽しむケン・ブレイクは、美女イヴリンとの再会により、“一角獣”をめ
ぐる極秘任務に巻き込まれた。そして嵐の中たどり着いた『島の城』では、目撃者
のいる前で怪死事件が発生。死体の額には鋭い角のような物で突かれた痕が残
っていた。フランスの古城を舞台に、希代の怪盗、パリ警視庁の覆面探偵、ヘンリ
ー・メリヴェール卿が三つどもえの知恵比べを展開する。
ーズです。
この作品はパリの古城を舞台とした館ものミステリーで楽しめます。
カーといえばオカルトテイストあふれる不可能犯罪というイメージですけどこの作
品ではイメージ払拭という感じでどちらかといいますと・・・だましあいったところ
でしょうか、語り手としてケンウッド・ブレイクがまたヒロインとしてイヴリン嬢が
ベタではありますけど久しぶりに出会った両人が事件を通じて惹かれあっていく
という要素もありますよ、でもケンって諜報員やめてたんですね、そもそもこの事
件にイヴリン嬢と出会わなければ関わることがなかったのですが(笑)
H・Mもちょっと強引な登場のしかたで笑っちゃいました。
さて事件は一角獣の角を狙っている怪盗フラマンドとパリ警視庁の有名警部ガス
ケの駆け引き替えがかれており、H・M登場によりより混迷を極めるわけですね
返送の達人フラマンドは誰か?
そんなおり殺人事件が起きてしまいケンはフラマンドと思われてしまいます
それによりケンとイヴリン嬢とH・Mは共犯扱いされてしまい窮地に・・・本物のフ
ラマンドは一体誰なんでしょう?
お互いが疑心暗鬼になり
誰もが本人であることを証明できないという状況に陥っているわけで実に楽しめ
ました。
30年代に書かれている作品ですので当時を考えると本人証明の難しさ通信手段
が古い時代での孤立など30年代ならではのミステリー作品です。




